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腰と膝が同時に痛むとき、どこから相談すればよいのでしょうか
立ち仕事や階段の昇り降りで、腰も膝もつらい——どちらが原因か分からず受診をためらっていませんか。腰と膝は互いに負担を分け合う関係にあり、片方の不調がもう片方へ響くこともあります。この記事では、両方が同時に痛む身体の仕組みと、整形外科で医師に伝えたい要点を整理します。
この記事の要点まとめ
- 腰と膝は骨盤や筋肉でつながり、片方の不調がもう一方に影響することがあります
- 前かがみや歩行、立ち上がり動作の変化を確認すると、原因の傾向を把握しやすくなります
- 受診時は発症時期や順序、困っている場面を整理して伝えることが勧められます
腰痛と膝痛が同時に起こる主な原因と身体のメカニズム

腰と膝は、骨盤と太ももの筋肉を介してつながった関係にあります。どちらか一方へ負担が偏れば、もう一方にも影響が及ぶことがあると考えられています2。
腰椎疾患(脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア)による神経の圧迫と関連痛
腰から出る神経は、お尻から太もも、膝、そして足先まで伸びています。腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアで神経が圧迫されると、腰そのものよりも脚や膝の周囲に痛み・しびれとして感じられる場合があります2。坐骨神経痛と呼ばれる状態が、膝の内側や裏側の違和感として自覚されることもあります。膝関節に大きな変化が見当たらないのに膝が痛むとき、腰椎側の評価を併せて行うことも検討されます。
膝の痛みをかばう歩き方や姿勢の崩れから生じる二次的な腰への負担
逆の順序をたどることもあります。変形性膝関節症などで膝が痛むと、つらい側をかばって体を左右に振る歩き方になりがちです。その結果、骨盤の動きが偏り、腰椎の一部へ負荷が集まりやすくなることがあります。江東区のように坂や階段の少ない生活圏でも、駅の階段、自転車の乗り降り、お孫さんの抱っこといった動作の積み重ねが関わる場合もあります。
加齢や筋力低下に伴う骨盤の傾きと下半身全体のバランスの乱れ
体幹や太もも(大腿四頭筋、ハムストリングス)、お尻の筋力が落ちてくると、骨盤は前や後ろへ傾きやすくなります。骨盤は腰椎と膝をつなぐ土台。ここが崩れると、負担が分散されずに両方へ残ってしまうことがあります。筋力低下と姿勢の乱れは、腰と膝に共通する背景要因のひとつとして挙げられています2。当院では広々としたリハビリルームと電動式ベッドを備え、理学療法士による運動療法や姿勢の指導を行っています。
痛みの根本を見極めるためのセルフチェックとよくある誤解

痛む場所と、原因のある場所。この二つは必ずしも一致しません。まずはご自身の痛みの傾向をつかんでおくと、診察での説明がぐっとしやすくなります。
「痛む場所が悪い」とは限らない?腰由来と関節由来の見分け方
膝関節そのものが関わる場合は、曲げ伸ばしや体重をかけた瞬間に痛みが出やすく、腫れや熱っぽさ、関節内側の圧痛を伴うことがあります。対して腰由来では、膝を動かしていないのにしびれや電気が走るような感覚があり、腰の姿勢によって症状が変わるという違いが見られることも2。とはいえ両方が併存する例も珍しくないため、自己判断で結論づけるのは控えたいところです。
前かがみ・後ろ反らし・立ち上がり動作で確認する簡易チェック
次の3つを、痛みの出ない範囲で無理せず試してみてください。
- 前かがみ・後ろ反らし:腰を反らすと脚の症状が強まり、前かがみで軽くなるか
- 歩行と休憩:数分歩くと脚がつらくなり、少し座ると再び歩けるか
- 立ち上がり・階段:椅子から立つ瞬間や階段の下りで膝の前面が痛むか
姿勢や歩行で変わるなら腰椎側、体重をかけた動作で膝の局所が痛むなら関節側の関与が想定されることがあります。結果をメモに残しておくと、診察時の手がかりになります。
湿布や市販の鎮痛薬による一時的な対処と放置のリスク
湿布や消炎鎮痛剤は痛みをやわらげる目的で用いられますが、痛みが軽くなったことと原因が確かめられたことは別の話です。数週間以上続く痛み、夜間や安静時の痛み、脚に力が入りにくい、感覚が鈍い、排尿の様子が変わったといった変化があるときは、早めのご相談が勧められています2。「痛みが引いた=原因が解消した」と決めつけず、経過を見届けておくことが大切です。
整形外科を受診する際に医師へ伝えるべきポイントと受診の準備
腰と膝の両方に症状があるときは、話す順番をあらかじめ決めておくと、限られた診察時間を有効に使えます。
「いつ・どちらから・どんな動作で」痛むかを整理する3つの要点
メモに残しておきたいのは、次の3点です。
1. いつから:腰は数か月前、膝は1か月前など、部位ごとの発症時期
2. どちらが先か:先に痛み出した側と、後から加わった側
3. どんなときに:立ち仕事の後半、階段の下り、朝起きた直後など
痛みの強さを0〜10で表しておくと、変化が伝わりやすくなります。発症の順序は、腰と膝のどちらの評価を先に進めるかを考える手がかりになります2。
立ち仕事や階段昇降など日常生活で具体的に困っている場面の共有
「レジで4時間立つと腰が重くなる」「孫を抱き上げると膝が抜けそうになる」。こうした具体的な場面は、診療方針を組み立てるうえで欠かせない情報です。仕事を続けたい、家事を無理なく行いたいといったご希望も、遠慮なくお聞かせください。手術を含む治療選択を検討する場面でも、生活背景の共有が話し合いの土台になります12。当院では、内服薬や硬膜外ブロック注射も含めた疼痛管理を行いながら、再発予防を意識したリハビリテーションを組み合わせる方針をとっています。
診察や画像検査をスムーズに受けるための服装と事前の準備
腰と膝を診るには、どちらも出しやすい服装が便利です。ゆったりしたズボンや裾の広がるパンツ、着脱しやすい靴を選び、厚手のタイツやストッキングは控えめに。お薬手帳、他院での検査画像やお薬の情報、健康保険証(マイナ保険証)もご持参ください。当院では超音波診断装置や骨密度測定装置(DEXA)、ABI測定器などを用い、症状の背景を多角的に確かめながら方針を検討します。 レントゲンやリハビリテーションは、症状に応じて公的医療保険の対象となる範囲で実施します。江東区にお住まいで腰と膝の両方が気になる方も、まとめてご相談いただけます。
よくある質問
Q1. 腰痛と膝痛はどの科を受診すればよいですか?
A. 骨・関節・筋肉・神経といった運動器の症状は整形外科が診療の対象です。腰と膝の両方に症状がある場合も、一度の受診でまとめてご相談いただけます。
Q2. 腰痛は整形外科に行った方がよいのでしょうか?
A. 数週間以上続く、脚のしびれや力の入りにくさを伴う、夜間や安静時にも痛む——このような場合は、背景を確かめるために受診をご検討ください。画像検査や診察で状態を把握したうえで、方針を相談できます。
Q3. 膝の痛みは整形外科と接骨院のどちらがよいですか?
A. 整形外科では医師が診察し、レントゲンや超音波などの画像検査、投薬、注射、リハビリテーションを保険診療の枠組みで組み合わせられます。接骨院(整骨院)は柔道整復師による施術で、医師の診断や画像検査は行いません。原因がはっきりしない段階では、まず整形外科で状態を確かめておくと、次の対処を落ち着いて選びやすくなります。
Q4. 膝が痛いときは整形外科でよいですか?
A. はい。腫れや熱っぽさ、引っかかり感、階段の下りでの痛みなどには、変形性膝関節症をはじめとする関節の変化が関わることがあります。腰由来の可能性も含めて評価します。
Q5. 腰と膝、どちらを先に相談すべきでしょうか?
A. どちらか一方に絞らず、両方の症状と発症の順序をお伝えください。診察と検査の結果をふまえ、どこから取り組むかを一緒に考えていきます。
参考文献
1. 日本外科学会(一般社団法人 日本外科学会)https://www.jssoc.or.jp/
2. 日本整形外科学会(公益社団法人 日本整形外科学会)https://www.joa.or.jp/
1999年~ 仙台市立病院 外科
2002年~ 横浜市立大学市民総合医療センター 整形外科
2003年~ 水野病院 整形外科
2009年~ 本牧病院 整形外科
2017年~ 北砂2丁目だい整形外科 開設
江東区医師会・防災部会部員
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