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夕方の練習中に足首をひねった——その夜にできることから整理しましょう
お子さんが足首を痛がって帰ってきた夜、冷やすだけでよいのか、固定したほうがよいのか、翌朝すぐに受診すべきか。迷いますよね。江東区で整形外科診療を行う立場から、家庭でできる応急処置の手順と、受診を検討する目安を整理しました。まず今夜の対応を整えておくと、翌日の判断がしやすくなります。
この記事の要点まとめ
- 受傷直後はRICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)で対応し、翌日以降の受診判断に役立てます。
- 歩けない・強く痛む・変形があるなど気になる様子は、早めの受診をご検討ください。
- 整形外科では検査で状態を確認し、固定と段階的なリハビリで再発予防を見据えて対応します。
自宅ですぐにできる子供の足首捻挫への応急処置手順

足関節の捻挫は、小児のスポーツ活動でよくみられるケガのひとつ。受傷直後の初期対応は、その後の診察や見通しを立てるうえでも大切な時間帯にあたります。
応急処置の基本となる「RICE処置」の手順とポイント
家庭での応急処置として広く知られているのがRICE処置。Rest(安静)は歩き回らせず座らせること、Icing(冷却)は氷や保冷剤をタオルで包んで当てること、Compression(圧迫)は包帯などで軽く支えること、Elevation(挙上)はクッションで足を心臓より高い位置に保つことを指します。
冷却は1回15〜20分が目安。皮膚が白くなったり、強い冷たさを訴えたりしたら中止してください。お子さんは我慢してしまうことがあるため、途中で皮膚の色を確かめましょう。近年は「PEACE and LOVE」という、早い段階から過度な安静を避けて段階的に動かしていく考え方も紹介されていますが、受傷当日で腫れが強い時期は保護と冷却を優先する方針が一般的とされています。
氷嚢や包帯がないときに役立つ身の回りの代用品アイデア
専用の道具がなくても、家にあるもので一時的な対応はできます。
- 冷却の代用:保冷剤や氷を薄手のタオルで包む、冷水で絞った濡れタオル、冷やしたペットボトルを布越しに当てる
- 固定の代用:厚紙や雑誌をL字に折って足首の外側に添える、長めのタオルで足首と足の甲を軽く巻く
- 挙上の代用:座布団やたたんだ毛布を重ねて足を乗せる
巻くときは、つま先の色が悪くなったり、しびれを訴えたりしたらすぐにゆるめてください。あくまで受診までの一時的な処置と考えましょう。
子供に湿布を使う場合の選び方と注意点
受傷直後で熱感や腫れがある時期は、冷感タイプが選ばれることが多いです。温感タイプは腫れが落ち着いてからの使用が想定されるため、当日は避けておくほうが無難でしょう。冷却シートは清涼感が主な目的で、氷による冷却とは役割が異なります。
お子さんの皮膚は薄くデリケート。同じ場所に長時間貼り続けず、入浴の前後で貼り替えるなど、数時間ごとに皮膚の状態を確認してください。赤みやかゆみが出たときは使用を中止します。湿布で痛みが和らいだからと受診を見送るのではなく、受診までの補助と位置づけることが大切です。
すぐに整形外科を受診すべきかの判断基準チェックリスト
「様子を見てよいのか、翌朝すぐに連れて行くべきか」は、多くの保護者の方が迷われるところ。家庭で確認できる観察ポイントを整理しておきましょう。
翌朝すぐに受診が必要な症状のサイン
次のような様子がみられるときは、早めの受診をご検討ください。
- 足に体重をかけられず、まったく歩けない、または片足を引きずる
- くるぶしや足の甲の一点を押すと強く痛がる
- 足首の形が左右で違う、明らかな変形がみられる
- 短時間で腫れが大きくなり、内出血が広がっている
- 足の指の色が悪い、しびれを訴える
いずれも、骨や靭帯の状態を確かめておきたいサインとして知られています。「歩けるかどうか」だけで判断せず、押して痛む場所と腫れの広がりも併せて確認しましょう。
痛みをうまく言葉にできない小さなお子さんの行動変化
幼児は痛みを言葉で説明することが難しいもの。だからこそ、行動の変化が手がかりになります。歩きたがらず抱っこを求める、急にハイハイに戻る、片足だけをかばうように歩く、靴や靴下をはくのを嫌がる、寝返りや入浴のときに足を触られると強く拒む——こうした変化は本人からのサインと考えられます。
機嫌が悪い、食欲が落ちるといった漠然とした変化だけのこともあります。江東区にお住まいで判断に迷われるときは、無理に動かして確かめようとせず、「いつ・どんな状況で・その後どう変わったか」をメモしておくと、診察の際に状況を共有しやすくなります。
子供特有の「骨端線損傷」や剥離骨折の可能性
成長期の骨には骨端線(成長線)と呼ばれる軟らかい部分があります。お子さんの場合、靭帯より先にこの骨端線や靭帯の付着部の骨がわずかに傷つく骨端線離開・剥離骨折が起こることがあり、見た目では捻挫と見分けにくい点に注意が必要です。
腫れや痛みが軽そうにみえても、押して痛む位置がくるぶしの骨そのものにある場合は、画像での確認が望まれます。成長期特有の病態は経過のみかたも異なるため、自己判断で運動を再開せず、整形外科でご相談ください。
整形外科で行う精密な検査とスポーツ復帰までの流れ
受診後は、痛みの原因となっている部位を丁寧に確かめたうえで、今後の方針を一緒に相談していきます。
超音波(エコー)やレントゲンによる詳しい診断
まず問診と触診で痛む場所を確かめ、必要に応じてレントゲン撮影で骨や骨端線の状態を確認します。レントゲンに写りにくい靭帯や腱の様子には、超音波診断装置(エコー検査)が役立ちます。その場で関節を動かしながら観察でき、放射線被ばくを伴わない点も特徴です。状態によっては、さらに詳しい画像検査を検討することもあります。
当院では治療前の検査を重視しており、超音波診断装置や骨密度測定装置などの設備を用いて、症状や進行の度合いを把握するよう努めています。
固定療法(ギプス・サポーター)による適切な消炎・治癒促進
足関節捻挫では保存療法が中心となることが多く、損傷の程度や年齢、生活の状況に応じて、ギプス固定、シーネ、サポーター、テーピングなどから固定方法を検討します。しっかり固定する方針をとる場合もあれば、早めに動かしていく場合もあり、一律ではありません。
通学や部活動の予定、体育の授業への参加についても、診察の際に遠慮なくご相談ください。固定期間中の入浴の仕方や松葉杖の使い方といった生活面の疑問も、あわせて確認しておくと日常を過ごしやすくなります。
再発を予防して元通り動かせるようにするリハビリテーション
痛みが和らいだ後でも、足首の可動域やバランス機能が戻りきらないうちに運動を再開すると、捻挫を繰り返しやすくなると指摘されています。そこで、関節の動きを取り戻す運動、ふくらはぎや足裏の筋力トレーニング、片脚立ちなどのバランス練習を、段階的に進めていきます。
当院は広々としたリハビリルームを備え、リハビリテーションに力を入れています。院長として大切にしているのは、痛みを和らげることだけでなく、再発予防まで見据えたサポートです。大会や試合の予定がある場合は、その時期を共有していただくと、段階的な復帰の計画を一緒に考えやすくなります。 江東区北砂・西大島周辺でお子さんの足首の痛みが気になるときは、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 子供が捻挫したら病院に行くべきでしょうか?
A. 成長期のお子さんには骨端線という軟らかい部分があり、捻挫と見分けにくいケガが起こることがあります。歩けない、押すと一点が強く痛む、腫れが目立つといった場合は、早めの受診をご検討ください。軽そうにみえても痛みが数日続くようなら、一度ご相談いただくと状態を確かめやすくなります。
Q. 捻挫を早く落ち着かせるにはどうすればよいですか?
A. 短期間で必ず落ち着かせる決まった方法があるわけではありません。受傷直後の初期対応、状態に合った固定、そして段階的なリハビリテーションを順序立てて進めることが基本と考えられています。自己判断で早期に運動を再開すると、再受傷につながることもあります。
Q. 湿布は使わないほうがよいのでしょうか?
A. 使ってはいけないものではありません。受傷直後は冷感タイプが選ばれることが多く、皮膚の赤みやかゆみが出たときは中止します。ただし湿布は痛みを和らげる補助的な手段であり、原因の確認に代わるものではない点にご留意ください。
Q. 子どもが足首をひねったら、まず何をすればよいですか?
A. 運動を中止して座らせ、タオルで包んだ保冷剤で15〜20分ほど冷やし、包帯やタオルで軽く支え、クッションで足を高くしておきます。そのうえで、歩けるか、押して痛む場所はどこかを確かめ、受診の必要性を判断していきます。
Q. 受診の際に持って行くとよいものはありますか?
A. 健康保険証や医療証、お薬手帳のほか、学校やスポーツ少年団での受傷であれば、保険手続きに必要な書類の有無をご確認ください。受傷時の状況を書いたメモや、腫れた直後の写真も参考になります。
1999年~ 仙台市立病院 外科
2002年~ 横浜市立大学市民総合医療センター 整形外科
2003年~ 水野病院 整形外科
2009年~ 本牧病院 整形外科
2017年~ 北砂2丁目だい整形外科 開設
江東区医師会・防災部会部員
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