硬膜外ブロックの治療の流れ|所要時間や注意点は?|北砂2丁目だい整形外科|江東区北砂の整形外科

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硬膜外ブロックの治療の流れ|所要時間や注意点は?


つらい痛みやしびれの緩和に役立つ「硬膜外ブロック」をご存じでしょうか?


なかなか取れない腰痛や、ヘルニア・脊柱管狭窄症などによる神経の痛み・しびれに対し、硬膜外ブロックが効果を発揮します。

痛みをなくしたいものの、硬膜外ブロックの手順や注意点がわからないため、相談を躊躇している方もいることでしょう。


この記事では、硬膜外ブロックの治療手順や注意点を解説します。


■硬膜外ブロックとは


前回の記事では、「硬膜外ブロック注射」がどんな痛みに効果的なのか、解説しました。

硬膜外ブロックとは、脊髄(背骨の中を走る太い神経)を覆う「硬膜」に麻酔薬を注射し、局所的に痛みを取り除く治療のことです。


麻酔によって痛みが緩和するだけでなく、自律神経の働きを弱め、痛みの原因となる発痛物質を流す効果も期待できます。


痛み以外にも、神経障害からくる「しびれ」の緩和も可能です。

慢性腰痛や脊柱管狭窄症など、なかなか改善しない痛みやしびれも改善できるでしょう。


■硬膜外ブロック注射の流れ 


硬膜外ブロック注射の流れを解説します。


1.説明と同意

まず初めに、医師から硬膜外ブロック注射の方法や効果、副作用や合併症などを説明し、同意をいただきます。


硬膜外ブロック注射は日帰りで実施可能であり、治療も短時間で済みます。

しかし、治療後に気分が悪くなったり、アレルギー反応が出たりする場合もあります。


治療効果と注意点をよく聞いていただき、不安なことや疑問点があれば、あらかじめ解決したうえで同意いただくとよいでしょう。


2.血圧測定

ブロック注射の実施前に、血圧を測定します。


硬膜外ブロック注射は自律神経にも作用するため、血圧が急激に下がる可能性があります。

あらかじめ血圧を測定しておき、治療中・治療後に血圧が急降下していないか確認することで、治療のリスクを減らすことが可能です。


3.ブロック注射の実施

血圧測定後、痛みの部位へブロック注射を実施します。

ブロック注射には目視と感覚で実施する「盲目的手法」と、レントゲンで透視しながら行う「視覚的手法」の2種類があります。


盲目的手法では、消毒後、医師の目と指の感覚で注射を実施します。

針を刺す位置や深さを調整しながら行いますが、注射にかかる時間は数分程度です。


視覚的手法では、レントゲン室でX線を当てながら実施し、針の位置や深さを確認しながら実施します。

確認しながら注射することで、複雑な構造の関節にも実施でき、より安全かつ短時間での治療が可能です。


4.血圧測定と安静

ブロック注射後は血圧を測定し、30分程度安静にしていただきます。

実施前と比較して著しい血圧低下が見られた場合や、気分不良などが見られた場合には、さらに長い時間の安静が必要です。


実施後に体が温かくなる感覚や、足のだるさ・脱力感が見られる場合もあるため、回復するまで安静にしていただきます。


5.診察し治療終了

安静にした後、医師と効果判定のための診察を行います。

痛みが和らいでいるか、安静中にみられた気分不良や、その他おかしな点がないかを確認し、問題なければそのまま帰宅することが可能です。


全ての工程を含め、およそ1時間から、長くとも3時間程度で帰宅できます。

硬膜外ブロック注射の注意点 

硬膜外ブロックは優れた鎮痛効果が期待できますが、実施するにあたっていくつかの注意点があります。

硬膜外ブロックの注意点をみていきましょう。


◎副作用や合併症が出る場合がある

治療後に以下のような副作用や合併症が見られる可能性があります。


  • めまい

  • 気分不良

  • アレルギー症状

  • 注射部の痛み

  • 麻酔中毒症

  • 感染

  • 硬膜外血腫 など


麻酔薬が自立神経に作用することで、めまいや気分不良が起こる可能性があります。

また、麻酔により蕁麻疹などのアレルギー反応や、中毒症状が出現することもありますが、一時的であり短時間で落ち着く場合がほとんどです。


注射時には消毒をしますが、まれに感染症を起こす場合もあります。

また、確率は低いですが、硬膜外に血が溜まる「硬膜外血腫」が生じることもあるため、実施後に体調を確認することが大切です。


これらの副作用や合併症の発生を極力防ぐためにも、説明や体調確認の時点で、きちんとご理解・同意をいただく必要があります。


◎注射を打てない方もいる

硬膜外ブロック注射は誰でも実施できるわけではありません。

ワーファリンなど、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、注射で生じる深部の止血が難しく、合併症を起こしてしまうリスクがあります。


説明の時点で服薬中の薬を確認したり、お薬手帳を持参していただき、ブロック注射を実施可能か見極めなければいけません。


◎注射後の運動や入浴に注意する

治療後はすぐにご帰宅いただけますが、感染症のリスクを減らすため、当日は浴槽に浸からずシャワーのみとしていただきます。

浴槽に浸かりたい場合は6時間以上時間を空けていただき、自己判断のもとで入浴してください。


また、合併症の発生を防ぐため、帰宅後もなるべく安静にしていただきます。

当日の運動は控えていただき、翌日以降、体の調子が問題なければ、軽いウォーキング程度から徐々に運動を開始してください。


■硬膜外ブロック注射を希望する方は整形外科にご相談ください


硬膜外ブロック注射は鎮痛効果やしびれの抑制効果があり、つらい腰痛や神経症状に効果が見込めます。

ただし、適切な手順やリスクを理解していないと、正しい効果が得られないこともあるため注意が必要です。

医師の説明をよく聞き、理解したうえで治療を受けるようにしましょう。


「北砂2丁目だい整形外科」では、大きな病院やペインクリニックで提供されるものと同様の硬膜外ブロック注射を実施しています。

患者さんの状況に合わせて注射を提案し、手順や注意点の説明も丁寧に行なっておりますので、安心して治療を受けていただくことが可能です。


硬膜外ブロック注射を希望する方や、治療に関して質問・相談がある方は、ぜひお気軽に当院へお越しください。


北砂2丁目だい整形外科
医師
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